今や大人気のジャンルとなったBL(ボーイズラブ)。
その歴史は長く、BLコミックが世に出てから20年以上も経っています。
そして歴史と共に増えていったのが「BLの専門用語」です。
いざBLを楽しもうと思っても専門用語が分からないと、じっくり物語を楽しむこともできません。
本記事では、
「今からBLの世界に飛び込むけど、専門用語が分からない…」
「BL好きな人同士で語ろうと思ったら、専門用語が沢山出てきて付いていけなかった」
という人のために、BL界隈で使われる専門用語を解説していきます。
これを読めばあなたもプロ腐女子の仲間入り!
《この記事でわかること》
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BL初心者向けの専門用語
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BL上級者向けの専門用語
BL初心者が知っておくべき用語一覧!
まずは「BL界の基本的な言葉」から知っておきましょう。
何事もまずは基礎からです。
ここで紹介する用語を知っておけばBLへの理解度がグッと増すだけでなく、友達とBLトークするのも楽しくなるはずです。
BL(ボーイズラブ)
Boys Love(ボーイズラブ)の略称です。
男性同士の恋愛模様を題材とした作品全般がBLと言われています。
ちなみに、Bacon(ベーコン)・レタス(Lettuce)の頭文字を取るとBLになることから、「ベーコンレタス」がBLの隠語として使われることもあります。
人前でBLの話をしたいけど、周りの目が気になる時なんかに使うと良いです。
攻め(左、タチ)
攻めとは、セックスの際に”挿入する側”のことを指します。
つまり、男性側です。
漫画によっては性描写がない作品もあるので、その場合は「もしこのカップルがセックスするなら、この人が攻めだろうな」という想像を基に当てはめます。
カップルはかけ算表記で「A×B」と表現されることもあるのですが、大抵左側に攻めるキャラが書かれるので「左」と言うこともあります。
別名「タチ」です。
歌舞伎の「立役(男役)」が由来となっています。
受け(右、ネコ)
受けとは、セックスの際に”挿入される側”のことを指します。
女性側のキャラと認識しておきましょう。
かけ算表記だと右側に書かれるので「右」と表現されることもあります。
別名「ネコ」です。
工事現場で使われる「ネコぐるま」の形が挿入されている人のように見えることが由来とされています。(諸説あり)
ノンケ
「異性愛者」のことです。
BL作品におけるノンケは、女性のことが好きなキャラクターということになります。
割と多くのBL作品にノンケは出てきます。
「俺は男なんか好きじゃねえよ!」と言っていたキャラが、気付けば男相手にキュンキュンする…。
そんなシチュエーションが腐女子たちを熱狂させるわけです。
公式カップリング
原作中で愛し合っているのが判明しているカップルのことです。
逆に原作で描かれていないカップルを想像するファンも多くいます。
その想像力は「キャラを愛する気持ち」があってこそ出来るものです。
ですが「公式カップリングしか認めない!」というファンもいますので、上手く折り合いを付けるようにしましょう。
サブカプ
「サブカップリング」の略です。
作品中でメインには描かれていないけど、脇役で登場するカップルのことを指します。
漫画によっては、メインよりも気になる存在になることもしばしば。
逆カプ
「カップリングの攻めと受けが逆転している状態」を指します。
また、読者が”自分の想像した攻め受けと逆だった”と感じた場合に使うことも多いです。
最近は、本の帯に攻め受けが表記されているものもあるので参考にしてください。
やおい
「ヤマなし」「オチなし」「イミなし」の頭文字を取った用語です。
1970年代に生まれた言葉なのですが、当時の同性愛作品は、ストーリー要素がほぼなく性描写だけがメインのものばかりでした。
物語に重要な「ヤマ・オチ・意味」がない性的作品を総称して「やおい」が使われています。
転ぶ
自分の好きな作品や推しカップリングが変わることをいいます。
どれだけ応援していても、作品に飽きてしまったり方向性が合わなくなることがありますよね。
そして別の作品を推すようになることを「転んだ」と表現します。
腐女子
BL作品を好む女性のことです。
「婦女子(ふじょし)」をもじった呼称であり、2000年代に入るまでは「ヤオラー」「やおい少女」とも言われていました。
元々は、男性同士の恋愛要素がない作品を勝手に同性愛視点で見てしまう「自分の脳内が腐っている」という自嘲的な思考が始まりとされています。
腐人
BL作品を好む高齢女性・または既婚女性を指した言葉で「婦人」をもじった呼称です。
腐男子
BL作品を好む男性のことです。
別名として父兄をもじった「腐兄(ふけい)」があります。
あくまで「BLを好んでいる」というだけで、同性愛者を指す言葉ではありません。
少女のような外見だけど中身は男性という「男の娘」というジャンルがきっかけでBLに興味を持つ男性も増えてきているようです。
腐死鳥(フェニックス)
腐女子の最高峰に位置する方たちです。
あらゆるBL作品を堪能し、詳しい人を指します。
腐女子・腐人の最終形態と言われており、自虐的な意味を込めて使われることが多いです。
脱BL初心者へ!上級者向け用語一覧!
BL初心者の先には何があるのか。それは「BL上級者」です。
前述した初心者向け専門用語を覚えたなら、次は上級者向け用語を覚えていきましょう。
ここで挙げている単語を覚えれば、腐女子向け試験で高得点ゲット間違いなしです。
リバ
攻めと受けが交代している状態を指します。
作品説明で「リバ有り」と表記されているときは要注意です。
人によっては「○○が攻めなんて有り得ない…!!」と感じる方もいるでしょうから、安易なリバの価値観押し付けはNGです。
固定
カップリングの攻めと受けが固定されることです。
絶対に攻めと受けが交代しないという安心感を求めるときに使用しましょう。
サンド
受け一人に対して攻めが二人いる状態を指します。
例えば「受けがA、攻めがBとC」の時はBCサンドという表記をします。
サンド状態の受けは様々なシチュエーションがあるのも特徴です。
・3人ともラブラブな状態
・受けを取り合う攻め二人のせめぎ合い
・半ば強引にサンドになってしまうが快楽に溺れる受け
などなど種類にキリがありません。
時には、サンドになったゆえに攻めが受けに転するパターンも。
受け付けない方は事前に注意が必要です。
ホモ百合
受け同士が相思相愛になることです。「百合」とは女性同士の恋愛を意味します。
BLにおける女性、つまり受け同士が愛し合うことからホモ百合と表現するのです。
ナマモノ
三次元の男性カップルを想像することです。
対象は何でも構いません。
アイドル・俳優・街で見かけた仲良し男子…。そんなリアル世界の男性カップルを想像したら、既にそれは”ナマモノ萌え”と言えます。
最近ではBLを題材にしたドラマも増えていますし、芸能人をモデルにした同人誌もあるんです。
総受け
作品内で、どのキャラと組み合わせても受けになるキャラのことです。
めちゃくちゃモテて愛されるキャラが「総受け」になります。
人によって総受けにするキャラは違うので、明確な定義はありません。
「私的に○○は総受けだなあ」「○○が総受けだったらマジで無理。」こんな使い方が例として挙げられます。
総攻め
総受けの反対で、作品内で絶対に攻めになるキャラです。
Sっ気のあるキャラや攻めの描写が多く描かれたキャラによく使われます。
オヤジ受け
中年男性が受けになることを指します。
今までノンケだった中年男性が新たな扉を開けたり、歳を取ってから激しいセックスを要求されたり…。オヤジ受けの種類は多々あります。
「俺はもう恋愛なんてしないよ」と言っていた男が、若い男と恋に落ちるシチュエーションなんかも人気のオヤジ受けです。
誘い受け
攻めを誘惑して口説く受けのことです。
ここでポイントなのが「肉体的には受けなのに、精神的には主導権を握っている」という点。
デート中はSなのにベッドの中ではゴリゴリ攻められる…。そんな逆転劇に萌えを感じる方は多いです。
まとめ
本記事で紹介したように、この世界には沢山の専門用語があります。
たかがBLと侮ってはいけません。
奥深い愛情とBLでしか感じられないキュンを摂取するために、まずは専門用語を覚えていただければと思います。
誰だって最初は初心者です。そして人によってBLに抱く感情は違います。
知識を蓄えて、あなたなりのBL愛を育てていってくださいね。